Asahi Transnational

    
 
2025-02-13

[NDT] 2025年更新版 タイにおけるX線CT検査装置(放射線発生装置)導入時の届出

 

要約:
タイで非破壊検査 (NDT) 用のX線透視装置やCTスキャンシステム等、放射線を発生させる装置を導入する際には、その監督省庁であるタイ科学技術省原子力平和利用事務局 (Office of Atoms for Peace, Ministry of Science and Technology、略称OAP)に報告する義務があります。弊社では前回2020年に、X線CT検査装置(放射線発生装置)設置時の届出6ステップについての情報をウェブサイトに投稿しました。今回もX線CT検査等非破壊検査機器の導入を計画されているお客様にお役立て頂けるように、再度OAPのご担当者にお問い合わせをさせて頂き、最新の放射線発生装置の設置や届出に関する情報をまとめました。実際にいくつかの更新点があります。

 

■エネルギーが1MeV未満で遮蔽されたX線CT検査装置(放射線発生装置)の場合、放射線発生装置の所有ライセンス申請は不要となり、届出のみ必要となります。その提出においてRSO担当者は必要ありません。
■放射線発生装置が1MeVを超える場合は、放射線発生装置の所有ライセンス申請が必要です。本申請にはRSO担当者による提出が必要です。
■各種申請書は新しいフォームに更新されました。
■関連するWebページも更新されました。

 

1. X線CT検査装置(放射線発生装置)の分類を理解する

ご使用中のX線CT検査装置がどのタイプの放射線発生装置であるかを確認してください。詳細情報はこのリンクから確認できます。
放射線発生装置のタイプは、次の4つに分類されます。

 

タイプ 1: 非常に危険

  • 線形粒子加速器、サイクロトロンやシンクロトロン等、最大放射線エネルギーが1MeVを超える放射線発生装置
  • 放射線発生装置ライセンス申請は必須

タイプ 2: 危険

  • エネルギーが1MeV未満で、開放型またはシールドなしでの使用や人体に使用する放射線治療装置等の放射線発生装置
  • 放射線発生装置ライセンス申請は必須

タイプ 3: 潜在的に危険

  • エネルギーが1MeV未満で、遮蔽された状態で使用され、人体に使用されない放射線発生器。材料の非破壊検査(NDT)に使用されるX線透視装置やCTスキャナなどは検査プロセスでは遮蔽されたシステム内でX線照射が発生するため、タイプ3の潜在的に危険な放射線発生装置と分類されます
  • OAPへの報告が必要

タイプ 4: 医療での使用

  • エネルギーが1MeV未満で、医療診断目的にのみ使用される放射線発生装置
  • 保健省医療研究所への報告が必要

 

弊社のお客様のほとんどがタイプ3のX線CT検査装置(放射線発生装置)を使用すると考えております。そのため、以下の手順はタイプ3の放射線発生装置にもとづいてご案内しています。

 

2. 登録フォームの記入

■X線CT検査装置(放射線発生装置)登録の正式フォームは以下リンクからダウンロードできます。 https://www.oap.go.th/regulation/licensing/license-xray/
■会社についての情報を入力:

  • 会社名、住所、連絡先を記載してください。また、ID またはタイ国籍でない場合はパスポートのコピーなど、会社を代表して提出する人の身分証明書のコピーも提出する必要があります。
  • X線CT検査装置(放射線発生装置)を自社で使用する目的か販売する予定かを記載してください。
  • X線CT検査装置(放射線発生装置)が製品検査などの産業目的で使用されることを記載してください。
  • X線CT検査装置(放射線発生装置)の担当者の連絡先を記載してください。
  • X線CT検査装置(放射線発生装置)に関するすべての技術的詳細。タイプ、メーカー、モデル、シリアル番号、最大電圧/エネルギー、使用方法(固定、移動、またはハンドヘルド/ポータブル)、所有のみか使用か、最後に安全性を検査した日、入手方法、使用開始日などを記載してください。

 

3. 補足書類の準備

身分証明書:

  • タイで登録されている会社の場合は、登録書類を添付してください。会社の取締役がタイ人ではない場合は、その取締役のパスポートのコピーを提出してください。
  • 会社の代理人である場合は、正式な委任状を添付してください。

場所:

  • X線CT検査装置 (放射線発生装置) が使用される場所の地図と住所、連絡先情報、および建物と周囲のエリアのレイアウトを添付してください。

機器:

  • X線CT検査装置 (放射線発生装置) の技術仕様と安全検査レポートを添付してください。X線CT検査装置 (放射線発生装置) がポータブルである場合は、製造国の安全文書を添付してください。スタッフの個人用放射線モニタリング装置の使用の証拠を添付してください。

写真:

  • X線CT検査装置 (放射線発生装置)、その周囲、および X線装置メーカーを示したラベル、モデル、シリアル番号、最大電圧/エネルギー、放射線警告ラベルの鮮明な写真を添付し​​てください。

■すべての文書のコピーが正確なコピーであることを確認してください

 

4. 登録の届出


■届出は以下の方法でできます。

  • 直接訪問: 月曜日から金曜日(祝日を除く)の午前8:30から午後5:30まで、原子力平和利用事務局のワンストップサービスカウンターにて
  • 郵送申請: 原子力平和利用事務局(住所:16 Vibhavadi Rangsit Road, Lat Yao, Chatuchak, Bangkok 10900)に申請してください(封筒の隅に「License Application」と記入してください)。
  • 原子力平和利用事務局の電子システム経由で申請してください。
  • 注記:2025 年 1 月現在。電子システムによる申請はまだ利用できません。

  • 電子メール経由(Eメール):
    Email: oss@oap.go.th
    書類は、解像度が150dpi 以上のポータブルドキュメントフォーマット(PDF)でなければなりません。許可が下りた場合は、許可書の原本を郵送で送付する必要があります。

 

5. 登録処理期間

■OAPが申請を処理するのに最大 45 日かかります。
■書類が不完全または不正確な場合は、OAPから連絡があります。

 

6. X線CT検査装置安全検査報告書

■X線CT検査装置(放射線発生装置)の安全性は定期的に検査・評価する必要があります。検査報告書のコピーは2年毎に提出する必要があります。タイ原子力技術研究所(TINT)が本検査サービスを提供しています。サービスを受けるには、ウェブサイトにアクセスしてください。 https://eservice.tint.or.th/site/login 詳細情報は: https://www.tint.or.th/th/service/ศูนย์บริการเทคโนโลยีนิวเคลียร์/งานบริการตรวจประเมินความปลอดภัยเครื่องกำเนิดรังสี(X-ray)

 

7. X線CT検査装置オペレータの個人線量評価

■光ルミネッセンス線量計(OSL線量計、酸化アルミニウム結晶)を使用した個人線量評価は、作業中に受けた放射線量の記録、評価、報告に使用できます。これにより、法律に準拠した評価レポートに使用でき、組織で高線量の放射線を使用する場合にはオペレーターが受ける放射線の量を減らすための運用計画に使用できます。3か月毎に検査および評価する必要があります。
https://www.tint.or.th/th/service/ศูนย์บริการเทคโนโลยีนิวเคลีย/งานบริการประเมินปริมาณรังสีประจำบุคคล%20(แผ่นวัดรังสี%20OSL)

 

放射線発生装置の所有または使用の届出には有効期限はありません。届出は提出者が取り消しをするまで有効となります。

 

備考:
■タイプ3のX線CT検査装置(放射線発生装置)はその使用にライセンスは不要ですが、登録が必須であることに注意してください。
■放射線緊急事態が発生した場合は、ホットライン (1296) に電話してください。

 
 

上記の情報は2025年2月時点のもので、以下の組織に問い合わせおよびウェブサイト確認に基づき作成しています。
 

  • タイ科学技術省原子力平和利用事務局(Office of Atoms for Peace, Ministry of Science and Technology)ウェブサイトおよびRadiation Generator Licensing Divisionへの問い合わせ
  • タイ国家原子力技術研究所(Thailand Institute of Nuclear Technology)ウェブサイト

 
OAPの方におかれましては、ご説明誠にありがとうございました。