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2026-06-05

[NDT] 製品情報:高解像度産業用CT検査装置 FF35 CT – HDD・精密部品編

FF35 CT ヘッダー画像

テクノロジー解説
2026年6月5日

高出力と高分解能の限界突破:
新型「HDPターゲット」搭載 FF35 CTが革新するHDD・精密部品検査

タイは世界有数のハードディスクドライブ(HDD)およびデータストレージ機器の製造拠点として、グローバルサプライチェーンの重要な一翼を担っています。近年の大容量化に伴い、HDD内部の磁気ヘッドアセンブリ、アクチュエータ、スピンドルモーターなどのメカニカル部品には極限の精密さが求められており、サブミクロン単位の組み立て精度や微小な欠陥が製品の信頼性を大きく左右します。

スイスに本社を置く世界的なX線技術のリーディングカンパニー、Comet Technologies社(※)が開発したハイエンドX線CTシステム「FF35 CT」は、こうした高密度なメカニカル部品の検査において、かつてない「透過力」と「解像度」を両立させるブレイクスルーをもたらしました。本日は、HDDメーカー様の品質保証を強力にバックアップする最新X線テクノロジーをご紹介します。
(※2026年3月30日付でドイツ法人の社名は「Comet Technologies Germany GmbH」に変更されましたが、X線・CTシステムソリューションは、今後も引き続き信頼の「Comet Yxlon」ブランドとして展開されます)

密度の高い金属部品検査における「ジレンマ」

HDDの筐体や内部構造のような金属密度の高い部品を非破壊で検査するためには、X線が金属を透過するための「強いエネルギー(高管電圧・高出力)」が必要です。しかし、従来のX線技術には大きなジレンマがありました。
出力を上げるとX線の焦点(Focal Spot)が大きくなってしまい、画像がボヤけて解像度が低下します。逆に、高解像度を保つために焦点を小さく絞ると出力が下がり、金属を透過しきれずにノイズだらけになるか、あるいは1回のスキャンに膨大な時間を要してしまいます。

新型「HDPターゲット」がもたらすブレイクスルー

この長年の課題を解決するのが、FF35 CTに搭載された225kVマイクロフォーカス管用の新型「HDP(High-Density Power)ターゲット」です。
HDPターゲットは、特殊な高密度材料と優れた水冷安定性により、従来のターゲットと比較して2倍の電力密度を実現しました。これにより、金属を透過する高い出力(例:200W)をかけたままでも、焦点サイズを従来の半分(Φ240µmから120µmなど)に極小化させることが可能です。

スループットを落とさずに解像度を2倍に

「出力を上げればボヤける、絞れば時間がかかる」という常識を覆し、スキャン時間を一切妥協することなく、圧倒的にシャープで高精細な内部画像を短時間で取得できます。これにより、製造ラインに近い環境でもスループットを維持したまま、最高レベルの品質検査が可能になります。

複雑なメカニカル部品を非破壊で「透視」する

FF35 CTの強力な透過力とHDPターゲットの解像度を組み合わせることで、HDD特有の複雑なアセンブリを分解することなく詳細に評価できます。例えば、以下のような重要箇所の検査において絶大な威力を発揮します。


  • サスペンションおよびアセンブリ全体の観察

    HGA(Head Gimbal Assembly)全体のプロファイルや、スライダーの姿勢(Attitude)、ベースプレートの変形状態などを非破壊で高コントラストに可視化し、組み立て後の微小な歪みや異常を正確に検出します。

  • アームとディスク間の微小な隙間(クリアランス)確認

    パフォーマンスに直結する内部の微小な隙間を非破壊でスキャンします。CTの断面データ上で直接状態を確認でき、設計通りのマージンが確保されているか検証可能です。

  • モーター・スピンドル構造の解析

    X線が透過しにくい密度の高いスピンドルモーター内部も、225kVの高出力で鮮明に透過します。内部のフォーカスギャップの均一性や、スクリュー(ネジ山)の締結状態などを詳細に解析できます。

見えない内部を正確に測る「高精度な3D寸法計測」

HDDなどの精密部品の評価において「ただ見える」だけでは不十分です。FF35 CTには、CTデータ上で直接、高精度な寸法測定を行うためのMetrology(計測)エディションが用意されています。

  • 公式規格に基づく精度保証

    ドイツの産業用CT寸法計測の公式ガイドラインである「VDI/VDE 2630」に完全に準拠しており、寸法測定の最大許容誤差は MPE SD = 5.9 µm + L/75(L:測定長[mm])という極めて高い精度を誇り、信頼性の高い計測データを提供します。

  • 温度変化や振動に強い設計

    花崗岩(グラナイト)ベースの堅牢なマニピュレーターと、キャビン内のインテリジェントな空調・温度制御システムにより、測定環境の温度変化による熱膨張や振動の影響を排除し、常に安定した測定結果を維持します。

タイでのご導入について

タイにおけるデータストレージや自動車部品といった精密製造業の現場では、歩留まりの改善と高度な品質保証が今後の競争力を左右します。HDPターゲットを搭載したFF35 CTは、厚い金属部品を圧倒的なスピードと解像度で透過し、お客様の「見えない内部を正確に測りたい」という課題を確実に解決へと導きます。

弊社はタイ国内におけるComet社のセールスエージェントとして、FF35 CTのご導入の相談を承っております。なお、導入後のアフターサポートや技術的なメンテナンスにつきましては、タイ国内に常駐しているComet社のメーカー直属技術チームがおりますので安心してご利用いただけます。

実際にアセンブリ品をお持ち込みいただいてのデモンストレーションも随時ご相談を受け付けております。「厚みのある自社部品でも綺麗に透過できるか?」「測定の精度は十分か?」など、ご不明な点がございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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