Asahi Transnational

    
 
2026-07-06

[NDT] 製品情報:高解像度産業用CT検査装置 FF35 CT – 半導体編

FF35 CT ヘッダー画像

テクノロジー解説
2026年7月6日

新型ナノフォーカス管「FYNE Tube」搭載:
FF35 CTが切り拓く非破壊検査の新次元

半導体・エレクトロニクス業界において、技術進化はとどまることを知りません。HBM(広帯域メモリ)に代表される先端パッケージング技術の微細化は急速に進んでおり、それに伴い「見えない内部の欠陥をいかに正確に捉えるか」という品質保証のハードルもかつてないほど高まっています。

スイスに本社を置く世界的なX線技術のリーディングカンパニー、Comet Technologies社(※)が開発したハイエンドX線CTシステム「FF35 CT」は、この業界の課題に対する強力なソリューションです。本日は、業界最高クラスの解像度とスループットを実現する最新ナノフォーカステクノロジーがもたらす圧倒的なメリットをご紹介します。
(※2026年3月30日付でドイツ法人の社名は「Comet Technologies Germany GmbH」に変更されましたが、X線・CTシステムソリューションは、今後も引き続き信頼の「Comet Yxlon」ブランドとして展開されます)

なぜ、いまナノフォーカスX線CTが求められるのか?

1.4mmx1.4mm Field of View, 213x Magnification

例えば、半導体の12mm×8mmのHBMパッケージ内には、Φ25µmのマイクロバンプやΦ5µmのTSV(シリコン貫通電極)が密集しています。従来のX線CTシステムでは、これらの微細構造のボイド(空隙)やクラック、接続不良を鮮明に分離して観察することは極めて困難でした。

Comet社のFF35 CTの真価は細部に宿ります。新たに搭載可能となった新型160kVナノフォーカス管「FYNE Tube」を使用することで、0.6 µm(600nm)というディテール可視性を安定して提供します。これにより、これまで見えなかった微細な配線やバンプ内部の欠陥を、はっきりと可視化・計測できるようになりました。

新型160kVナノフォーカス管「FYNE Tube」の詳細

FYNE Tube 外観

新たにFF35 CTの心臓部として搭載可能となった「FYNE Tube(FYT-160.NFX1.600)」は、最先端のLaB6(六ホウ化ランタン)エミッタを採用した160kVの次世代型・開放型(オープン)ナノフォーカス管です。半導体や超精密電子部品の検査では、微細な欠陥を捉える「極めて高い解像度」と、製造現場でのスループットを落とさない「安定した長時間の連続稼働」という、相反する2つの要素が常に求められてきました。

従来のX線管では、高解像度であるもののフィラメント交換などのメンテナンス頻度が高い「開放管」と、メンテナンスフリーでも解像度に限界がある「閉鎖管」のどちらかを選ぶ必要がありました。しかし、このFYNE Tubeは、画期的な設計により両者の壁を打ち破り、「開放管の圧倒的な高解像度」と「密閉管に匹敵する安定性・低メンテナンス性」という両方の利点を完全に融合させることに成功しました。これにより、検査プロセスのダウンタイムを最小限に抑えつつ、最高次元のインサイト(洞察)を継続的に得ることが可能となり、お客様の歩留まり向上と品質保証の確実性を飛躍的に高める、以下の様な優れた特長を持っています。


  • 1. 空間分解能0.6µmのシャープな焦点と高出力

    ナノ分解能を維持したまま、最大クラスの出力を誇ります。焦点サイズ1µm未満を維持しながら高出力で明るい画像が得られるため、サブミクロンボクセルでもエッジがボケず、600nm(0.6µm)のディテールまで確実に可視化します。

  • 2. 極小の熱ドリフトで長時間スキャンに最適

    高倍率CTスキャンにおいて課題となる熱ドリフトを、水冷式チューブヘッドによって極めて小さいレベルに抑え込みました。究極の再現性を備えており、長時間のスキャンや連続運転が求められるサンプルの検査に最適です。

  • 3. 長寿命と低メンテナンス

    長寿命を実現しており、従来の開放管システムと比較してメンテナンスの頻度を劇的に削減します。高い稼働率を維持し、運用コストの低減にも大きく貢献します。

ブレイクスルーをもたらす「Zoom Scan(ズームスキャン)」技術

Zoom Scan 画像

高倍率(高解像度)を得るためには、サンプルをX線管(Focus)に可能な限り近づける必要があります(FODを小さくする)。しかし、基板などの幅の広いサンプルを回転させるとX線管と衝突してしまうため、これまでは回転できる位置までサンプルを遠ざける(ノーマルスキャン)しかなく、結果として解像度が低下していました。

FF35 CTの「Zoom Scan」は、このジレンマを解決します。角度ごとにサンプルとX線源の距離を動的に調整し、近づけられる角度では最大限まで接近させることで、大型の基板であっても効率よく高倍率での撮影を行う革新的な機能です。

Zoom Scan(ズームスキャン)の仕組み

CTの高解像度化には、サンプルを左側の「X線管」に限界まで近づける必要があります。
Zoom Scanは回転に合わせて距離を動的に調整し、常に限界まで接近して最高倍率を維持します。

従来のノーマルスキャン

サンプルの角がX線管に衝突しないよう、常に安全な遠い距離を保って回転します。そのため拡大倍率が低くなります。

Zoom Scan

サンプルの短い面がX線管を向く時は自動で近づき、長い面が向く時は衝突を避けて下がります。平均倍率が劇的に向上します。

ソフトウェアスイートによる解析の効率化

FF35 CTはハードウェアだけでなく、ソフトウェアも業界トップクラスです。AIベースの3Dソフトウェア「Dragonfly 3D World」を利用することで、ディープラーニングを用いた自動セグメンテーションが可能になります。半導体パッケージ内にある数百万のポア(気孔)やボイドの体積・表面積を迅速に解析し、データ処理の手間を大幅に削減します。

タイでのご導入について

タイにおいても工場の新規投資や高度化が進む中、生産設備のみならず高度な検査システムの導入は、今後の競争力を左右する重要な鍵となります。FF35 CTに搭載された新型ナノフォーカス管「FYNE Tube」とインテリジェントなスキャン技術は、半導体・エレクトロニクス製造においてお客様の「見えないものを見たい」という課題を確実に解決へと導きます。

弊社はタイ国内におけるComet社のセールスエージェントとして、FF35 CTのご導入の相談を承っております。なお、導入後のアフターサポートや技術的なメンテナンスにつきましては、タイ国内に常駐しているComet社のメーカー直属技術チームがおりますので安心してご利用いただけます。

実際のサンプルをお持ち込みいただいてのデモンストレーションも随時ご相談を受け付けております。「この微細なクラックは見えるのか?」「自社の基板サイズでも高解像度を保てるか?」など、ご不明な点がございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

FF35 CTのデモや詳細資料をご希望ですか?

タイ国内の専任営業スタッフが、お客様の検査要件に合わせた最適な導入プランをご提案します。

お問い合わせ・資料請求はこちら