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NEWS

2022-05-23

[CASTING SIMULATION] 新製品情報: ADSTEFAN Ver.2022

ADSTEFAN

 

ADSTEFAN Ver.2022の新機能

GPUモードによる解析高速化の対象拡張:

本来モニタへのグラフィックス出⼒に⽤いられるGPUカードの強⼒な並列処理機能を鋳造シミュレーション解析に応⽤することでCPUによる計算に⽐べて劇的に⾼速な計算を実現にしたGPGPU (General-Purpose computing on Graphics Processing Units) による計算⾼速化機能が“GPUモード”です。Ver.2022では湯流れ解析および凝固解析のほぼすべての機能で“GPUモード”がサポートされました。高精度湯流れや温度依存性の考慮、引け巣解析の一部など、主要な設定において高速化が期待できます。

 

湯流れ解析の解析時間例

 

下図に湯流れ解析に要した解析時間の例を示します。対象モデルは一般的なダイカスト、重力鋳造、低圧鋳造および傾斜鋳造品で、2000~4000万メッシュのプロジェクトによる結果です。高精度湯流れオプションを用いて解析時間を計測し、4モデルの結果の合計と、平均高速化倍率を示しています。比較的高速なCPU(Core i9-7900X)の単一コアによる解析に対し、安価なGPUカードであるQuadro P2000を用いても6.3倍、高速なGPUカード(Tesla V100S)を用いた場合は16.2倍の高速化が得られました。またTesla V100Sよりも新しく安価なGPUカードであるQuadro RTX5000を用いた場合、13.7倍となりました。

 

GPGPU Fluid Flow

 

凝固解析の解析時間例

 

GPGPU Benchmark Gravity Model下図に凝固解析に要した解析時間の例を示します。対象モデルはADSTEFANのチュートリアルに用いられる重力鋳造品で、1700万メッシュのプロジェクトによる結果です。物性値の温度依存性および引け巣解析の一部(一括設定:圧力模擬を含まない6種類)を対象に解析時間を計測した結果を示します。比較的高速なCPU(Core i9-7900X)に対し、安価なGPUカードであるQuadro P2000を用いても3.8倍の高速化が得られました。またワークステーション向けCPU(Xeon E5-2620 v3)に対し高速なGPUカード(Tesla V100S)を用いて比較を行った場合、11.1倍となりました。

 

GPGPU Computational Time Solidification

 

GPUモードはNVIDIA社独自開発のGPGPU技術であるCUDA(Compute Unified Device Architecture)に基づいており、NVIDIA社製のハードウェアの使用を前提としています。GPUモードの使用には、64bit版のWindows 10 Pro、およびCompute Capability 3.0~7.5のGPUカードが必要です。下記ページを参考に、お使いのGPUカードの”Compute Capability”が 3.0以上7.5以下であることをご確認ください。
https://en.wikipedia.org/wiki/CUDA#GPUs_supported

 

高精細画像出力:

滑らかな界面の描画

 

ADSTEFANは立方体メッシュを用いる差分法をベースにしており、従来のポストプロセッサでは傾斜した面や自由表面は階段状に表示されていました。一方、本機能ではボリュームレンダリングの技術を応用し、滑らかな界面形状の描画を実現しました。

 

Ray-Tracing-ADSTEFAN-2022
様々な質感の表示

 

温度や圧力といった物理量の階調表示のほか、金属的な質感表示機能も搭載しました。アルミニウム合金溶湯のような銀白色、鉄系溶湯のような赤熱色、銅系合金のような赤銅色の出力が可能です。

ADSTEFAN 2022 バージョンへのアップグレード

ADSTEFAN年間保守契約を締結中のお客様は、2022版ライセンスにアップグレードが可能です。最新版ライセンスのご利用にあたってはプロテクトキー(HASP)内のライセンスファイルをアップデイトする必要があります。

 

アップデイト手順:

  1. プロテクトキー(HASP)の情報が書き込まれた最新のC2Vファイルを弊社にお送りください。ファイル名にはプロテクトキー番号をご使用頂けますとわかりやすく大変助かります。 >>C2Vファイルの作成方法
  2. お送り頂きましたC2Vファイルを元に最新のパッチファイルを生成しお送りさせて頂きます。パッチファイルはADSTEFANを動作させているPC内の任意 場所に保存してください。
    注意:リモートデスクトップによるC2Vファイル生成やパッチファイル実行作業はHASPアクセスエラーが発生します。
  3. PCにプロテクトキー(HASP)を差した状態でパッチファイルをダブルクリックにより実行してください。プロテクトキー(HASP)内のファイルが上書きされADSTEFAN 2022版のライセンスが利用可能になります。
  4. 2020年以降、ADSTEFAN DVDのお客様への配布はなくなりました。お客様へは弊社よりemailにてプログラムファイルのダウンロードリンクをお送りさせて頂きます。
  5. ADSTEFANソフトウェアのインストールにつきまして以下の記事をご参照ください。

 

もしご不明な点ございましたらどうぞ遠慮なくご連絡ください。


 

お問い合わせ:

清野 浩 (携帯: 083 064 2112)

Wiphawee Sawetwiharee (携帯: 083 064 6976)